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【モブ虎/2】危険な接待 【2】

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(…………まぶし……)
 最初に気づいたのは刺すような眩い光だ。目の奥を光に灼かれて、唐突に意識が甦ってくる。身体がふわりと浮くような感覚。
 だが、この時すでに地獄は始まっていたのだ。
(な、なんだ……これ?)
 重い瞼をこじ開けても、虎徹は自分の身に何が起こっているのか、すぐには理解できなかった。なぜなら全身をロープで奇妙な形に縛り上げられ、床に座り込んでいたからだ。
 両腕はしっかりと後ろ手に縛られているし、足も開脚して膝を折り曲げた状態で、身動きできないように括られている。胸のあたりで網目模様に形作られた縄は身体の中心を通って、無理やり開かれている股間にまでぎっちりと食い込んでいた。これではまるでSMプレイでもされているかのようだ。
(……なんで俺、こんな格好してんだ?)
 よく見れば着ている物も違う。いつもの出勤スタイルで来たはずなのに、そのままなのはアイパッチだけで、どういうわけか今身につけているのは、かつてTOPMAGに所属していた頃に愛用していた青いヒーロースーツだった。……いや、似せてはあるが着心地は全然違うから、専門店が扱っているというレプリカかもしれない。
 その証拠に、いくら斉藤さんにクソスーツというありがたくない称号をもらってしまったとはいえ、簡単に破れるはずのないヒーロースーツが肩や胸元のあたりで大きく裂けていて、本来なら繋がっているはずのフェイスマスクもない。
(えーと、確かさっきコーヒー飲んでて…………そんで、急にぐらっと……)
 まだぼんやりしている頭で記憶をたどっていると、上から唐突に声をかけられた。
「気分はどうだね?」
「……え?」
 縄がかかっているせいでやや動かしづらい首をのろのろと持ち上げ、声のした方を仰ぎ見る。
 そこに立っていたのは、先程の人物とは別の男だった。やはり五十代後半ぐらいだろうか。表情は穏やかなのに、なぜか眼だけはギラついている。さらに奇妙なことに、その男性はスーツではなくガウンのように丈の長い白いバスローブを纏っていた。
「まだハッキリとは目覚めないかな」
 ククッと喉奥で笑った男が手を伸ばしてくる。肉厚で脂ぎった指に頬を撫でられて、途端にぞわりと鳥肌が立った。考えるより先に身体が勝手に反応したようだ。
(この連中はいったい……)
 頭にかかっていた霞が次第に晴れて、事態が飲み込めてくると、あまりにも異常な光景に改めてぞわぞわと寒気がしてきた。
 場所は先程と同じホテルの一室だろう。周りにいるのは男性ばかり五名。虎徹に一服盛った人物と慇懃な執事も数歩離れた位置に控えているが、手前にいる三名はいずれも同じ白いバスローブ姿で、縛られている虎徹を嬉々とした眼で見下ろしている。彼らが後から来たお客様、つまり謝罪相手だとしても、こんな格好を強いられる理由がさっぱり分からない。
「あんたら……いったい何が目的だ?」
 虎徹は自分をぐるりと取り囲んでいる男たちを睨み上げた。
「おいおい、もう忘れてしまったのかい? 大事なお客様にサービスしてくれと、さっき説明したじゃないか」
 さらりと返ってきた答えは場にそぐわぬ明るい調子で、薬を盛った男の表情には後ろ暗さなどまるで窺えない。
「この格好でか? いったいどんなサービスしろってんだよ」
「見れば分かるだろう、肉体奉仕だよ」
「……は? にく……って?」
 あまりにも馴染みのないセリフに思わずきょとんとしてしまった虎徹に、周りがどっと失笑した。
「さすが正義のヒーロー、心も純粋で清らかだ。自分がそういう目で見られているとは考えもしないようだね」
「だからこそ乱す甲斐があるというものでしょう」
「にしても芸術的な縛りですなぁ」
 バスローブその2、その3がニヤつきながら口を挟むと、スーツ姿のCEOはすぐ後ろに控えている痩せぎすの執事を振り返って、彼の仕事は完璧ですよと胸を張った。
「亀甲縛りに蹲踞を組み合わせました。むろん穴の洗浄から薬、器具の仕込みまで準備も万全に施してあります。存分にお楽しみください」
 浮かべているのはいかにもな営業スマイルだ。
「ほう、もう挿れてあるのか?」
「はい」
 今度は執事が客の問いかけに頷いた。
 無表情なまま、低い声音でぼそりと答える。
「かなり狭そうでしたので、小型の物で多少慣らしておきました」
「手回しがいいね。だったらすぐに大きいやつも呑み込めるかな?」
「おそらくは」
(な……なんの話してんだ、こいつら?)
 バスローブたちの意味不明な会話に眉をしかめていると、男の一人がずいっと顔を寄せて覗き込んできた。
「どれ、そろそろ身体の奥が疼きだす頃かな?」
 なんだ、そりゃ。おまえたちの言ってること全然わっかんねーよ!
 そう怒鳴ってやろうとした時、虎徹はふと己の異変に気がついた。身じろぎした瞬間、体内に硬い物があると感じたのだ。
 手足や股間に食い込む縄の感触や、恥ずかしい格好に縛り上げられているという事実にばかり気を取られていたが、どうやら何か異物まで埋め込まれているらしい。それも口には出し難い、とんでもない所に。
 いったい自分は気を失っている間に何をされたんだ、と虎徹は青くなった。そのくせ動き回っているわけでもないのに、体温はどんどん上がっているようだし、鼓動も速くなってきている。中でも人工物の硬さを感じるあたりの粘膜が、かなり熱を帯びているようで。
(なんだ、これ…………なんか奥の方が、ジンジンして……)
 堪えきれず、半ば無意識にもじもじと腰を動かしていると、男がにんまりと目を細める。
「おお、どうやら効果が出てきたようだね」
「待ち侘びたぞ。さぁ早く始めてくれ!」
 バスローブたちの要求にスーツ男が頷き、リモコンを取り出した。
 すると次の瞬間――――
「ひっ! あ……あああ、あ…っ!」
 身体の内側になんとも言えない振動を直接感じて、虎徹は思わず悲鳴を発しながらぐんと背筋を反らしていた。もっとも縛られているから、さほど大きく動くことはできない。立ち上がることもできず、可能なのは、ただ腰を小刻みに揺することぐらいだ。
「あ……あ…ぁ」
 そのせいか内側の粘膜が埋め込まれている物をぎゅっと締めつけてしまって、なんとなく異物の正体が分かってしまった。
(これって、まさか……)
 すると執事もどきが耳元に唇を寄せてきて、
「どうですか、ローターのお味は? 初めてでしょう?」
 ハッキリした言葉で、とうとう認めたくない事実を突きつけられた。
「中に塗った薬もすっかり吸収されたみたいですね。そのうち掻き回して欲しくて、自分からねだるようになりますよ」
 赤ん坊の頃、医者や母親に触れられた以外は、誰の目にも晒したことのない秘孔を見知らぬ男に弄られて、中に電動のオモチャまで仕込まれたなんて。
「ば……ばか、な……」
 背筋にぞわりと怖気が走った。
(ありえねぇだろ……なんだよ、これ!)
 戸惑いと驚きが怒りに変わり、ぐっと力が湧いてくる。
 だが――――なぜか、いつもの青い光が出てこない。
「ああ、あらかじめ言っておきますけど能力を発動して逃げようとしても無駄ですよ。それができないように暗示をかけましたから」
「暗示…?」
 衝撃の中、さらに追い討ちをかけられた。
「あなたは実にかかりやすいタイプでした。私が解くまで、能力は発動できないと思いますよ。それに……もし仮にあなたがこの役目を降りた場合、身代わりになるのは相棒であるバーナビーさんだと伺いましたが、それでも構いませんか?」
 執事の視線は主であるCEOに向けられている。もしも暗示とやらが上手くいかず虎徹が逃げ出していたら、大事な相棒を巻き込むつもりだったのだろうか。
「なっ……んなこと、あいつが了承するわけねーだろ!」
 腹の底から吠えたはずの怒声はひどく掠れていた。
 電動のオモチャは一定のリズムで粘膜を擦り続けていて、すぐにでも取り出したいと思っているはずなのに、こんな緩やかな動きでは物足りないと頭の隅で勝手に誰かが呟いている。
「そうかね。彼は現実主義者みたいだから、ヒーローを続けるためなら条件次第で受け入れてくれるんじゃないかな。なんなら代役を頼んでみようか?」
 まるですべてを見抜いているような眼をして、男は薄笑いを浮かべながら携帯を差し出してきた。虎徹の物だ。両手を縛られていて受け取れない自分の代わりに、男の指が勝手にアドレスに登録されているナンバーを押す。
『はい、もしもし』
 数秒後、聞き覚えのある声が鼓膜を震わせた。
「バ、バニー!」
 咄嗟に叫んだものの二の句が次げず、すぐに沈黙してしまう。
 助けてくれと頼んで、こんな無様な格好をあいつに晒すのか?
 いや、それよりも。
『虎徹さん? どうしたんですか、いったい』
 幾分不審がっているようだが、耳に届く声音はすぐにやわらかくなった。その変化は虎徹自身に対する彼の態度の移り変わりを思い出させて、胸にぎゅっと絞られるような痛みが走った。
「…………っ」
『そんな大声出さなくても、ちゃんと聞こえてますよ。スポンサーへの謝罪はもう終わったんでしょう? 何かあったんですか?』
 出会ったばかりの頃と違って、つっけんどんな態度を取っていても尋ねてくる声がやさしいから、なおのこと。
「…………あ、いや……なんでもねぇ。悪かったな急に。ちょっと酔ってて、ついおまえの番号押しちまった」
『仕方のない人ですね。あんまり飲みすぎないでくださいよ。二日酔いで登場するヒーローなんてカッコ悪いですから』
「ハイハイ、分かったよ。気をつける。……じゃあな」
『おやすみなさい』
 固く唇を引き結び、通話が切れる音を聞いた虎徹は、視線を携帯から逸らしてじっと床を睨んだ。


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