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【モブ虎/1】痴漢電車 【1】

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「……ふぅ、間に合った」
 発車間際に慌てて飛び乗ったモノレールの扉がゆっくりと背後で閉まる。
 平日の昼間だというのに、その車輌はやけに混んでいた。
(うわっ、ツイてねーなぁ)
 不思議と親子連れや老人の姿は見当たらない。年齢層はバラバラだが、どっちを向いても男、男、男。狭い車輌が一段とむさ苦しく感じてしまう。
 スーツ姿のサラリーマン集団に囲まれて、虎徹はげんなりと肩を落とした。
(……ま、しゃーねぇか)
 目的地に着くまで、しばらくの我慢だ。
 そう思っていたのだ。何も知らずに。


 混雑に阻まれているせいで、虎徹が立っている位置からは吊り革にも手摺りにも届かない。仕方なく両脚だけでバランスを取りながら小さく折りたたんだ新聞に目を落とし、しばらく目で文字を追っていると、突然急ブレーキがかかって車体がガタンと大きく揺れた。
「う、わっ!」
 背中にどすんと体当たりされて、たまらず前に倒れ込む。前方に立っていた男性の懐に飛び込む格好でもたれかかってしまい、虎徹は慌てて離れようとした。
「あ、どーもすいませ……ん?」
 ところが、どういうわけか身体が動かない。
「……へ?」
(なんだ、いったい?)
 まるで金縛りにでもあったようだ。
 背後からぶつかってきた人物も動けないのか、なかなかどいてくれない。おかげで前後から押さえつけられているような状態になってしまっていた。もともと混雑した車内にあまり余分な隙間はない。これでは金縛りが解けたとしても身動きできないかもしれない。
 だが一番の問題は、駅でもないのに車輌の動きが完全に止まってしまったことだろう。トラブル発生は明らかだった。
(まさか事件じゃねーだろうな)
 こうした場面で、咄嗟に事故ではなく犯罪の可能性を考えてしまうのも職業病の一種かもしれない。自然と身構えてしまうのだ。
『お客様にお知らせ致します。ただいま車輌事故が発生したため緊急停止致しました。現在、自動修復システムによりメンテナンス作業を行っております。お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけ致しますが、発車まで今しばらくお待ちください』
(なんだよ、ただの故障か)
 どうやら杞憂だったと分かり、流れてきたアナウンスにほっと肩の力を抜いた。予期していなかった衝撃に襲われたのは、その直後だ。
 後ろにいる人間が、するりと虎徹の尻を撫でた。
「いっ…!?」
 ぞわっと背筋に悪寒が走る。
 もちろん最初は気のせいだろうと思った。いや、思いたかったのだ。ただ偶然触れてしまっただけだと。しかし虎徹の願いを裏切って、その手は何度もさわさわと怪しい手つきで尻を撫で回した挙げ句、ついには双丘を揉み始めた。
(……な、なんでだよ)
 がっしりと骨太で大きいこの手のひらは、どう考えても男の手だ。
(誰かと間違えてんのか?)
 近くにものすごく可愛い女子高生とか美人OLでもいるのかと懸命に視線を巡らせてみたが、目に映るのは色気も素っ気もない背広ばかりで女性の姿はどこにも見当たらない。
(ってことは、つまり……)
 数秒して、サーッと血の気が引いた。
(いやいやいや、おかしいだろ! 紅顔の美少年ならともかく、俺なんか触ったって面白くもなんともねーだろ!)
 一向に離れていく気配のない手が双丘の狭間をなぞり、股間へと滑り込んできたことで、虎徹はもはやパニック寸前である。
「ちょ……」
(おいぃぃぃ! どこ触ってんだよッ)
 思わず出しかけた声を必死に堪えて、唇を噛んだ。だが、これは車輌内という狭く閉ざされた空間で繰り広げられる淫猥な拷問の序章にしか過ぎなかったのだ。
 まずはいきなり左右両側から伸びてきた手にベストのボタンを外され、シャツの上から二つの胸の突起を強く摘まれた。
「……っ!」
 振り払おうとしたが、やはり腕は何かに強く押さえつけられているような感じで、ビクともしない。しかも胸を触っている手は左右別々の人間だ。もちろん背後で尻を撫で回している手も角度からして別の者だろう。混乱しているうちに前方からも下肢の中心に手を伸ばされて、ようやく事態を悟った虎徹は今度こそ身体の芯からぞわりと怖気立った。
 前後左右、四方を痴漢に囲まれているのだ。
(だから、なんで俺なんだよ?)
 思考が混乱し、ぐるぐると眩暈がした。その間も当然のように身体を這い回るいくつもの手に遠慮やためらいはなく、どんどんいやらしい触り方になっていく。
(ええいっ、この変態ども…………いい加減にしやがれッ!)
 あれこれと考えを巡らせたところで複数で痴漢を働くような卑劣漢、ましてやそのターゲットに三十過ぎの男を選ぶ連中の趣味嗜好など虎徹に理解できようはずがない。
(何がしたいのかよく分かんねーけど、とにかく全員逮捕だ!)
 心の中で叫び、能力を発動―――――しようとしたのだが。
「あっ……」
 大変残念なことに、それは叶わなかった。モノレールに乗り込む直前、駅の階段から落ちそうになっている女性を偶然見かけて、助けるために能力を使ってしまったからだ。気分が悪くなったという女性を無事助けることができたし、乗り遅れそうになっていた電車にもなんとか間に合ったので、ほっと胸を撫で下ろしていたところだったのに、まさかこんな落とし穴が待っていようとは。
(……嘘だろぉ)
 額や背中にだらだらと冷や汗が流れてきた。
 最悪なのは、こちらが能力を使えないという事実だけではない。混雑しているとは言えラッシュほどではないのに、まったく動けないことだ。痴漢の中にネクストが混ざっている可能性もある。その能力を使って押さえつけられているのではないかと気づいて、虎徹はますます青ざめた。
 絶体絶命のピンチだ。
(どうする、鏑木虎徹。大声で叫ぶか? いや、でもさすがに男が痴漢にアレされてるってのはどうも…………普通の乗客だっているだろうし)
 男の沽券に関わる。また古くさい言い回しだとバーナビーに鼻で笑われそうだが、虎徹の脳裏にはその言葉と同時に、真面目で厳しかった兄の顔が浮かんでいた。
(けど、このままじゃ……)
 殴り合いのケンカなら慣れている。しかし痴漢たちの手が強弱をつけて握ったり摘んだりしているのは、身体の中でもひどく敏感な部分だ。特に下肢の中心にある息子を握られているということは、男にとってもっとも弱い部分を人質に取られているのと同じ。そしてさらにもう一ヶ所、尻の割れ目の奥にある秘孔は自分自身にとっても未知の領域だった。女性でもアナル・セックスを好む者もいるとは聞くが、妻はそういう類の人間ではなかったし、女遊びなどしたことがない虎徹にとって当然のことながらそこはただの排泄器官でしかない。
 医者以外の人間に触られるなんて有り得ないはずなのに。
(くそっ……んなとこ触ってんじゃねーよ!)
 服の上からするすると割れ目をなぞっていた指に、後孔をくすぐるように弄られてぎくりと身体が強張り、とうとう緊張のあまり動悸がしてきた。
 それでもここで終わればまだ、気持ち悪かった、すげぇビビったと後で愚痴でもこぼせば済んだだろう。しかし徒党を組んでいる痴漢たちは、すぐに次のステージへと上がってしまった。まるで弄ぶように服の上から前茎をやわやわと揉んでいた手がスッと上に動いたかと思うと、堂々とファスナーを下ろして下着の中にまで侵入してきたのだ。
(え、ええぇっ?)
 おまけに何かの合図でも交わしたかのように、同じタイミングで胸を触っていた二つの手もシャツのボタンを外し始めた。ネクタイはきちんとぶら下がったままだというのに大胆に前をはだけられて、アンダーの中にまで潜り込んできた手に今度は直接突起を摘まれる。
「ん…っ!」
(……マジかよ)
 いったいどこまでする気なのか。考えるのが恐ろしい。
 しかもなぜ自分の身体は、釣り上げられた魚のようにビクビクと反応してしまっているのだろうか。
「尖ってきたね」
 不意にくすりと笑いを含んだ声が、呆然としている虎徹の鼓膜を震わせた。
(こいつら、まさか)
「いい表情だ。気持ちいいんだね」
「ここ、いじられるの好き?」
 左右両側から愉しげに囁かれる卑猥な問いかけ。片方は年配、もう片方はかなり若い男の声だ。
「そ……うぅ…っ」
 そんなわけないだろ。咄嗟に反論しかけたものの、さすがに周囲の耳目が気になって言葉を呑み込むと、肯定と受け取られでもしたのか、左右にいる男たちは乳首を摘むだけでなく指先で突起を弾いたり、押し潰したり擦ったりして、執拗にそこを捏ね回し始めた。

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